シールドを交換すると、本当に音が変わったか???
私が、最初に高価なシールドに手を出したのが、高校生位のときに一時楽器改造ブームがあったんですが、そのときに入り浸ってた、地元のマニアックな楽器屋さんに勧められて作ってもらった、whirlwindというケーブルでした。結構高かった記憶があります。そのときは、まだベースも始めたばかりで、”なんかよーわからんけど、ちょっと優越感に浸れるか”程度の感想しかなかったです。 今回、MIXI内でいろんなところでこのシールドの音の変化について、色々盛り上がってたので、以前から解明したかった命題”シールドを変える事で、どんだけ音が変わるのか!”という事を、検証してみたくなりました。
しかし、大手の楽器屋さんでも、ケーブル試奏させて下さいっていっても、パッケージあけれないのでムリです。って断られる始末。さいわい、大阪のココサウンドさんが実際シールドを何種類か試奏できるサービスを行っていたので、泉さんを通じてお願いしたという次第です。泉さん手持ちのシールドを含め、私が自腹で買ったシールド、宇治さんという学生さんが、当日持ってきてくれたシールドを含め、23種類を2フィンガー、スラップで収録する事ができました。(たぶん、ベースマガジンでもここまでやってないと思います)
で、実際どうだったのかって言う事なんですが、判断は音源を聞いていただいて皆さんそれぞれが感じていただければ良いですが、私の感想としては、結構変わったなという感じです。自分で弾いてみるともっと実感できると思います。
今まで、カナレの音が楽器の音だと思っていた。
といっても、そんなに何本も高価なケーブルを学生のブンザイで買える訳もなく、ほとんどのケーブルはカナレを使っていました。特にそのときは不満もなく、今まで使ってきたのですが、今回このテストで、楽器の音とか弾き方の音だと思ってた自分のベースの音が、結構カナレの音だったって言う事がわかりました。まさか、フォデラから自分の耳なじんだ音が出るとは思ってなかったので、ちょっと驚きましたね。
クライオ処理の効果は?
今回、たまたまBELDENの8412のノーマルと、クライオ処理を施したものをテストできました。クライオ処理とは、簡単言うと液体窒素で-196°まで冷却し、物性を整えて、電気的特性を向上させようという処理です。オーディオマニアの中ではよく知られた技術のようです。物性の先生の中には、これはまやかしだと、一刀両断する方もおられますが、この名前で売り出している商品はかなり多いですね。私も、”ものすごいマニアックな方の思い込みでは??”という感じがしてたんですが、音源をお聞きいただくと違う音になっているのは、おわかりいただけると思います。はたしてこれが、クライオ処理の効果なのか、それとも、単なる個体差なのか正直検証できません。(同じケーブルで、クライオ処理ビフォアアフターなんて実験ができればはっきりするかもしれませんが)ただ、周波数分析した結果を見ると、8412の基本的なキャラクタは変わっていないけれど、低域、中高域でグラフが大きくなっているのがわかります。(クリックで大きくなります。)
これだけ、実際に異なると単に気のせいとか個体差では、収まらない感じもします。音も、確かに変わっているので、全く効果がないというのはこのテストの中では、言い切れないですね。
ただ、クライオ処理したら音がよくなるかどうかは、個々の好みによりますね。8412ノーマルの音の方が好きだって言う人もいるかもしれません。なので、クライオ処理絶対信仰ではなく、実際に別のケーブルとして自分が好きかどうかで、選択してみてほしいと思います。
5弦ベースでLow Bの音で悩んでいる方
よく、5弦ベースでLow Bの鳴りがよくないという悩みを聞く事があります。そういう方は、まずシールド回りをチェックしてみてはいかがでしょうか?もし、楽器購入時についているおまけのシールドが使ってあるのなら、交換をしてみてほしいと思います。楽器自体はちゃんとLow Bを発音していても、ケーブルでかなり損失している可能性があるという事が、今回のテストでよくわかりました。また、高域の特性はケーブルのキャラクタがよく出るようなので、いまいちいい音がしないと悩んでる方も、ワンランクシールドをアップするだけで、もしかしたら、お気に入りのサウンドになるかもしれません。
エフェクターでの補正や、楽器をいじるのはそれからでも遅くない気がします。自分の楽器の潜在能力がもしかしたら、シールドによって損失してたのかもしれませんね。
エフェクターは試奏できるのに、なぜシールド試奏はできないの?
大手楽器店では、いろいろな種類のシールドを売っていますが、たいがいの楽器店は”シールド試奏はやっておりません”って断られます。しかし、値段を見てもらうと5m位になると、コンパクトエフェクター1個分位になるのに、片方は試奏できて、片方はできないというのはどうも片手落ちな気がします。とくに、こういう微妙な商品に関しては。今回も、興味のあったシールドを試奏させてくれなかったので自腹で買いました。HPや広告の宣伝でいろいろうんちく述べられても、それだけの価値があるのかどうか、アマチュアならなおさらわかりませんよね。東京の楽器店ではさすが売れる数が多いからかもしれませんが、シールド試奏コーナーを設けているところが多いそうです。正直、自分で試奏して実感してみるのがいちばんだと思います。いつも弾いているフレーズがケーブル変える事で、変わる実感が得られると思います。ココサウンドさん含め、試奏ができる楽器店さんも増えてきましたが、多くの楽器店さんでは吊るしてるだけ。ジャケ買いできる程のものでも無し。関西の楽器店さん、是非売り方工夫してみて下さい。
投資する価値があるかどうか
さて、音源聞いていただいて、この変化にはたしてそれだけの投資効果があるのかどうかですが、それは個々の判断で”この程度なら安いのでも十分”と判断したのなら、安いケーブルで良いと思います。これだけ変わるなら、エフェクター買うより、シールドを買おうと思った方は、ぜひ自分の好みにあったシールドを購入してみて下さい。よく考えれば、シールドというのは、パッシブフィルターのようなものなので、トーンコントロールエフェクターとも考えられない事もないですね。ケーブルによって音が異なるのは、楽器からアンプにいくまでに絶対起こる損失が、どういう周波数帯で起こっているかという事だと思うので、忠実に楽器の素の音を伝送するというだけでなく、積極的に音作りに使えるアイテムだと思いました。アナリシスプラスなんかは、電気の仕組みから考えると、おそらく最も損失をしないで伝送しているんだろうなと思いますが、かといってアナリシスプラスの音が好きでなければ、何の意味もありませんし。
諸条件によって、結果はまた逆転する事も
今回はパッシブの5弦ベースでしたが、例えば、アクティブの楽器を使うと、また結果は変わると思います。ピエゾのフレットレスにするとどうか、さらに、ギターなんかだと、ギターに向いているものもあるので、また評価が変わると思います。
ホントは、諸条件を変えながらテストしてみたいところですが、ものすごいコストと時間がかかりますし、今回でも結構大変だったので、ちょっと無理っぽいです。しかし、今回のテストでLow Bの出方や、スラップのプル音の印象等だいたいの音の傾向はわかっていただけると思いますので、自分が良いと思った音を信じて、積極的にシールドでの音作りにチャレンジしていただければと思います。


