ヤマハ心斎橋店
先日、サイト宣伝もかねて、以前から行ってみたかったヤマハ心斎橋店に伺った。YAMAHAのTRBやNEなど美しいベースがずらっと並べてあって、さすが本陣なだけあるなという感じだった。ただ、こういうメーカー直っぽいところって、それほど楽器にマニアックではないのではという先入観があった。
”良かったら音出せますよ”
と、声をかけていただいたのは店員の十河さん。
私、 ”ヤマハってほとんど弾いた事ないんで、一度弾かせていただいていいですか?” ”おすすめはどれでしょう?”
十河さん
”そうですね、TRBの輸出仕様のが今あります。これ、日本仕様にはないピエゾがついているんです。これを少し足してあげる事で、前に出る音になりますね。ただ、指板サイドに塗装がのってて、日本の気候だとフレット溝からその塗装に浮きが出るんです。それが難点ですね。”
ほーぅ、なんかマニアックな話になってきたな。
試奏の準備をしていただいているときに、心の中で”おおっ”と唸ってしまった。チューニングは、半音上げた程度。ほとんど弦を緩めていない状態で吊るしてあった。大抵の楽器店は、吊るしの楽器はべろんべろんに弦を緩めているのが常である。テンションを急激に変化させてしまうので、これは良くないと個人的に思ってたんですが、どこの楽器店もそういう方針なのかと思ってたら、ここはちゃんとしてました。さらに、十河さんチューニングした状態をチェックし、瞬時にわずかな反りをみつけ、レンチでささっと修正してしまった。
楽器屋の試奏で、がっかりするのは、ちゃんと調整できていない状態で弾けといわれる事。どんな良い楽器であっても、ネックの状態が悪かったり、弦高調整が適切でないと、とても印象が悪いし、本当にその楽器の良さがわからない。ここは店頭で、ベストの状態にしてくれるので、気持ちよくTRBを弾くことができました。
ここら辺で、十河さんはベーシストであるというのはよくわかったが、ただ者ではなかった。かなり熱い店員さんで、"BASS ON TV"の話をすると、快くフライヤーを置いていただいただけでなく、いろいろ面白い話を聞くことができた。
実は、ヤマハ心斎橋店というのは、タダのヤマハの一店舗ではなく、結構知る人ぞ知る、ヤマハ本体へのフィードバックをかなり積極的にやっていて、開発現場に近い店舗だったのだ。
さらに、十河さんが中心となって、ヤマハ心斎橋店発のオリジナルベースを開発してしまったというから、驚かざる終えない。ほとんどまだ知られていないが、"Oscillator"というブランド。実際の製作は、東京に行ってしまったが、元大阪の工房 harry's DragonFlyが行っている。コンセプトから、材、塗装、パーツに至るまで十河さんの今までのノウハウをつぎ込んで、トラディショナルなジャズベスタイルながら、ペキペキNYサウンドとは反対のちゃんとR&B/ロックベースで使える芯のしっかりしたベースを作られたそうである。("Oscillator"のロゴも十河さんが自分でデザインされたそうです。熱い!)5弦のベースを弾かせていただいたが、正にコンセプト通りという感じ。サウンドバリエーションもアクティブ、パッシブの切り替え、フェイズスイッチ等多彩なんだけど、楽器としての方向というか主張がちゃんとあるような印象だった。仕上げも弾きやすさも申し分ない楽器だ。実は、私が弾かせてもらったベース、生前おとずれた、故)青木智仁さんが試奏して、絶賛していた個体だそうです。もったいない、もったいない。。。
価格は20万〜40万とのことで、コストパフォーマンスも比較的高い。ただ、いかんせん知名度がほとんどないのが悲しいところ。骨太なガッツりしたベースを探しておられるかたは一度試奏されてはいかがでしょうか? しかし、大阪にこんなベースに熱いお店があったなんて。。。機会があれば、"Oscillator"ベースの試奏紹介なんて企画してみたい。


